米国の金融政策・経済の動向

kabu

海外投資家の日本株への投資意欲が減衰している要因の一つに、相場がリスクオフムードになっていることがある。

ウクライナ問題、中国の理財商品問題など投資家の懸念材料は様々あるが、影響度が大きいのは米国の景況感の悪化だ。

3月7日に公表された今年2月分の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比17.5万人増え、約15万人増としていた市場予想を上回った。

もっとも、増加数は1月が12.9万人と低水準だったほか、ISM製造業景況感指数も1、2月とも景気判断の分かれ目とされる50をわずかに超える水準にとどまっている。

小売売上高、住宅指標などの指標も今年に入って不安定な動きを見せている。歴史的な寒波という一時的な現象が原因なのか、構造的な問題があるのか現時点では見極めにくい。高値圏にあるとはいえ、米ダウ工業株30種平均株価は年明け以降、やや乱高下気味だ。

投資家の動揺を増幅しているのが、米連邦準備理事会(FRB)が今年1月から開始した量的緩和の縮小。2008年のリーマン・ショックで落ち込んだ景気を下支えするため、FRBは3度の量的緩和を実施してきた。転機を迎えたのは13年5月下旬。バーナンキFRB議長(当時)が労働市場の回復を前提に、量的緩和の規模縮小を議会証言で示唆した。

今年2月1日にバーナンキ氏に代わり議長に就任したイエレン氏は、今秋までに量的緩和を終了すると議会で表明している。

イエレン氏は同時にゼロ金利政策の解除のタイミングについて、目安とする失業率6.5%に達しても、すぐには発動しないと表明し、市場の動揺を抑えたいという意図も透ける。

ただし、金融市場を落ち着かせる特効薬は回復を確信させる景気指標だ。一定の改善が確認された2月の雇用統計の発表直後には、外国為替市場で安全資産として買われやすい円が一時、1ドル=103円台後半まで売られるなど、リスクオフとは逆の動きも垣間見えた。

先行きを占う上では、先行指標といわれる製造業の週平均労働時間や週間の失業保険新規申請件数、製造業景況感指数の新規受注や商務省が発表する耐久財受注額の動向などに目配りしたい。

管理人

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